こんにちは。
昨日の続きでレッドウィングのカスタム模様をご紹介いたします。
解体からご覧になりたい方はこちら↓
【RED WING】エンジニアブーツをリラストしました:前編(解体からアッパー補修まで)
昨日はアッパーの穴を塞いだところまででしたが、今日はつりこみを行っていきます。
つりこみとは本来平面の革を立体に成型すべく、足の形をしたモデル(木型)に革をくるんでクセをつけていく作業です。
まずはもともとつりこまれていた形をリセットするため水に入れて戻します。じゃぼん。
干し椎茸みたいなものですね。
戻し汁はあとで使いませんので捨ててしまいましょう。
わりとショッキンな状態に見えますが、本当にアッパーオンリーですのであとでしかるべきケアをしてあげれば問題ございません。
これまでの汚れや塩も抜けて一石二鳥。
ちなみにソールがついている状態でこのようなドブ漬け洗いをすると、ソールの内部パーツ(中物やリブテープなど)がヤラれてしまうおそれがあります。
専門の洗浄設備がある場合を除き、あまりおすすめしません。
クタクタになったら木型につりこんでいきます。
今回は我らが荒井氏のプロトタイプ木型を拝借し、甲の押さえが効くプルオンブーツを目指します。
ふまずより前側を絞ることでフィット感はありつつも、脱ぎ履きがしやすいエンジニアになります。


つりこんだアッパーを新しく作った中底に縫い付けていきます。

全体にウェルトがつくと大分完成イメージが湧いてきます。
そしてアウトソールをぬいつけると……
ジャン!こんな感じです。



荒井氏の木型によってナローなスタイルへと生まれ変わったレッドウィング。
左足のクロコ当て革もいい雰囲気。ジーパンのタタキ修理っぽい見た目になりました。
ストームウェルトに細かめピッチに白ステッチがアクセント。
ソールも磨いてヒールには鉄製Vクリートのデッドストックを惜しげなく10個も使いました。


アッパーのヤレ感がかっこいいので、質感を変えずに栄養補給ができるモウブレイのナッパケア(スプレータイプの栄養剤)でお手入れし完成です。
履き込むうちに先芯レスの爪先が潰れてきて、独特のうねりあるシワが入ります。徐々に暖かくなっていますが、今シーズンはヘビロテでエイジングさせたいとおもいます。長丁場のブログになりましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
YUMA.
※今回は私物作業であり、リラストは修理メニューにございません。しかし当て革補修やオールソールはメニューにございますのでなにかお困りのことあればご相談ください。リフト交換やハーフラバー補強などももちろん歓迎です。
さらに本日は荒井弘史入店日です。夕方までは予約状況に比較的余裕がございますのでお気軽にお問い合わせください。
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